【5月の企画展】ripple洋品展
<5月25日(木)〜6月3日(土)>
風薫る5月に今年もripple洋品展の洋服をご紹介させていただきます。
岩野久美子さんがデザインした服を、夫の開人さんがひとつひとつ染めてつくるのが特徴。
夜叉節、蘇芳、茜、藍など、さまざまな色を、絶妙のバランスで染めた
豊かで美しい色に加え、最近はろうけつ染めなど手描きのアイテムを加えるなど、
さらに個性的なものづくりを追求されています。
一昨年、はじめて巡り合ったとき、国内生産の天然素材にこだわり、
織物の歴史を持つ群馬・桐生の地の利をいかしたものづくりに感銘を受けました。
色のバリエーションの幅広さ、色落ちがしにくいといった
草木染めの概念を超えた洋服づくりはもちろんですが、
今年もまたご縁をいただきたいと思ったのはもうひとつ、
岩野さんご夫妻の生き方に触れたことも大きな理由です。
3人のお子さんがいながら夫婦でブランドを展開し、毎月一週間
自分たちの店を開くだけでも大変なこと。
大変というより、お二人にとって作りたいものをつくり、届けたい人に
届けたいと思うとそうなったという自然のかたちなのでしょう。
なにより、つくることと暮らすことがボーダレスにつながって
家族で生地探しの旅に出かけたと思えば、響くんが追求するコーヒー焙煎のため
世界最初のコーヒーショップへイタリアを旅をしたり、
仕事と子育て、オンもオフの区別なく、常に家族がともにあるという状態。
そして今年4月、響くんは中学卒業後の進路として、みずから
自家焙煎コーヒー豆の販売店「HORIZON LABO」をスタートしました。
「目の前に見える波打つ大海原も視点を変え遥か遠くに目をやれば凪となり、
そこに水平線(ホライズン)が広がる。ぼくはそこを信じて漕ぎだしたい。
ホライズンラボはぼくができることを探し出し、様々な人と関わり学び、
最終的にぼくにしかできないことを見つけるための研究室です」という言葉に
15歳にして目指すべき小さな光を見つけた人の強さと、
ともに歩みを重ねた岩野さん夫妻の姿にとても大きなものを感じました。
人生は深い森に似ています。
ときに向かうべき道を見失い途方にくれることもあるかもしれません。
でも、かすかな光を見つけて少しずつ前に歩きはじめれば
頼りなげな足跡が、振り返れば一筋の道となる日がいつかやってくるでしょう。
無限の色のなかから、自分に似合う色に出会うため
森を旅するような気持ちで、ぜひrippleの洋服に袖を通してみてください。
「自然の色に染まるとき〜ripple洋品店」
5月25日(木)〜6月3日(土)*会期中無休
在店日・・・25日/久美子さん、開人さん
28日/開人さん
<イベント>
5月28日(日)群馬・桐生の天然酵母パン「チャツネ」のパン販売
