2016.05.30|陶器
【作家紹介】稲吉善光さん(陶)
土味に富んだ存在感あふれる器をつくる稲吉さん。
器本来の魅力を備えた器をご紹介したいと、
長年の思いの末、辿り着いたのが稲吉さんでした。
茨城・笠間の山の中。
ご自宅と工房は見渡す限り田んぼと山に囲まれ、
見上げると窓いっぱいに緑が広がります。
瞑想しながら作陶を極めるには、この上ないロケーション。
瞑想されているかどうか存じ上げませんが、
稲吉さんの作り出す独創的かつ力強い器を手にすると、
器への深い思いと、尽きることのない探究心を感じます。
きっとご自分と対峙しながら、瞑想するように作り出しているのでしょう。
表面がひび割れたような表情を描く鉄釉の器、
グレーの陰影が趣を醸す墨手の器。
どれも静かに存在感を漂わせながら、
土味に富んだ器はどんな料理もおおらかに受け止め、
いつもの食卓をはっとするほど美しく引き立てます。