【9月の企画展】森山至 陶展
<9月23日(金)〜10月1日(土)>
9月は熊本県天草で作陶されている森山至さんの個展です。
天草は熊本の西端の、海に浮かぶ120もの島々。
今は本土と橋でつながっていますが、
独自の文化と歴史が息づく地域として知られています。
展示の打ち合わせを兼ねて先日、お邪魔したら
朝釣ってきたという新鮮なお魚が食卓に!
お刺身をメインに彩り豊かな野菜がずらりと並ぶ食卓は、
山海に恵まれた天草の魅力がぎゅっと詰まった豪華版。
魚も野菜も新鮮だから、必要以上に手を加えなくても
とびきりのご馳走になります。


うつわも同様。
「あくまで料理を引き立てる脇役だから」と
控えめにしておおらかなうつわを手がけます。
天草陶石と呼ばれる磁器土の産地としても知られ、
昔から陶芸が盛んに行われていた地元に生まれた森山さんが、
「自分にしかできないことをしよう」と活動を始めたとき
身近に手に入る素材を活用するのは自然の成り行きでした。
マツやカシの灰釉は焼成を工夫して、美しい緑色に、
近くの山から土を掘り出すところからつくるうつわは、
鉄分を含んだ土が変化して力強い表情を浮かべます。
最近は、知人の塩工房で廃棄されるカルシウムを
アクセントに使った、白いうつわも登場。

素材との出会いから生まれる表情豊かなうつわが
料理をさりげなく引き立て、毎日の食卓で活躍します。
東京で初となる森山至さんの個展。
ぜひうつわから、おおらかで美しい天草の自然を
感じていただけましたら幸いです。

「天草から吹く風〜森山至 陶展」
9月23日(金・祝)〜10月1日(土)*会期中無休
森山さん在店日ー9月23日
森山さんは恵まれた地元の材料を使って、オリジナルのものづくりを発想。
鉄分の多い土味を生かして、精製しすぎることなく土を練るため、
樫を中心に、天草の雑木を灰釉にした、淡いグリーンの器も趣があります。
工房には作品をディスプレイした展示スペースも併設。
土味のする力強く個性豊かな器を、どうか楽しみにご覧ください。

